新生児黄疸
- 【新生児黄疸とは】
皮膚や粘膜、白目などが黄色く見えるのが黄疸。血液中のビリルビン値が高い状態。
日本人の赤ちゃんは、ほとんどに生理的黄疸が見られるが、黄疸が非常に強いと核黄疸を起こす危険がある。
肝臓の病気や大量の出血などで黄疸が出ることもあるので、生理的な黄疸か病的な黄疸かを区別することが需要。
【生理的黄疸】
日本人の赤ちゃんは、90%以上に生後2〜
4日ごろから黄疸が現れる。胎児のときは少ない酸素を有効に使うために赤
血球が大量に必要だが、生後自力で呼吸を始め
ると酸素が十分に使えるので、胎児のときほど
赤血球は必要でなくなる。なので余分な赤血球は
破壊され、ビリルビンという黄色い物質が生じる。
生後すぐは、ビリルビンを処理する肝臓の働きが
未熟なため、一時的にビルビリンの値が高くなる。これが生理的黄疸で、通常一週間をピークに消失する。しかし黄疸が非常に強い場合は、脳にビルビリンが沈着し、核黄疸を起こすことがあるので、特に異常がなくても治療が必要。
【核黄疸】
新生児は、血液脳関門ができあがっていないので、ビリルビンが非常に多いと脳にまで入り、沈着する。
核黄疸になると、中枢神経が侵されるため、
ぐったりして元気がない
母乳やミルクののみが悪い
などの症状が現れる。
この段階で治療してビリルビン値を下げると、後遺症を残さずにすむ。
しかし、
体を後ろに反らす
眼球が下を向く
全身を硬直する
などの症状が現れるようになったら、脳障害を起こしたり、命に関わることもある。
【母乳性黄疸】
母乳の中に含まれる脂肪酸は、ビリルビンを水溶性に変える酵素の働きを抑制する。そのため、母乳だけ飲んでいる赤ちゃんの場合は、黄疸が生後1週間くらいから1ヶ月過ぎまで続くことがある。
このころになると、血液脳関門は完成しているので、核黄疸になる心配はない。
しかし、新生児肝炎や胆道閉鎖などによる黄疸と区別するために、数日間母乳を止めて、母乳性黄疸かどうか調べることもある。
【血液型不適合による黄疸】
母親と赤ちゃんの血液型が違う場合、組み合わせによっては、母体に胎児の赤血球に対する抗体ができることがある。その抗体が胎盤を通じて胎児に移行すると、抗原抗体反応によって赤ちゃんの赤血球が破壊され、強い黄疸が起こることがある。血液型不適合による黄疸は、出生直後から起こる。
【RH型不適合】
母親がRHマイナスで、赤ちゃんがRHプラスの不適合では、黄疸が強くなることが多い。
第1子出産のときは、原則的には母親に抗体がないので、血液型不適合は起こらない。第1子出産直後に、母体に抗体ができないようにする治療を行えば、第2子以降の血液型不適合による黄疸を予防することができる。
【ABO型不適合】
母親がO型で、赤ちゃんがA型、B型のときに症状が出やすくなる。RH型不適合ほど黄疸が強くなることはない。
- 【新生児黄疸の治療】
【光線療法】
ビリルビンは、光を当てると水溶性に変わり、尿や胆汁に排泄されやすくなる。保育器の中で、赤ちゃんの体に悪影響を与えない緑色の光を当てる。目には直接光を当てないように眼帯をする。
【交換輸血】
光線療法でビリルビン値が下がらない場合は、交換輸血をする。赤ちゃん自身の血液をゆっくり取り出しながら、見合う量を輸血する治療。この方法では、赤ちゃん自身の約85%の血液が交換される。
輸血による感染症などのリスクがまったくないわけではないが、核黄疸による後遺症を防ぐためには必要な治療である。
